社長の名は 編集部より
誰が決めたのかもわからないものに、縛られ、生き方を制限される。それが、当たり前になっているこの世界。今回ご紹介するのは、 「そんな常識、ぶっ壊してやる」と決めた、 一人の天才エンジニアの物語です。
Pixelmine Japan株式会社 代表取締役社長、袖井 雄太郎さん。大切な親友を失ったことで、「常識」が人の命を奪うことを知った彼は、自由な世界を作ることを誓い、2025年3月、「Pixelmine」を誕生させました。誰にも支配されない、ユーザーのためのSNS。袖井さんの挑戦が、この世界を変えていくかもしれません。
常識に縛られない世界を目指して
常識に縛られ苦しんだ友・カトちゃんの死をきっかけに、「常識を壊す自由な世界」を夢見た袖井雄太郎。仲間とともに立ち上げたのは、支配者のいない分散型SNS「Pixelmine」。データも利益もユーザーに還元される、新しい常識をつくる革命的サービスを生み出した。
「社会って、そういうもんかよ」そう思いました。それを親友のカトちゃんに話したら、笑って言われました。「気にすんなよ」 でも、その時すでに、 “その笑顔が消えるカウントダウン”は始まっていたんです。
「家、泊めてくれない?」そうカトちゃんに電話をかけたのは、21歳の時です。「大変なんだね。おいでよ」何も聞かず、居候させてくれました。地元・宮城を飛び出し、横浜へ。毎日ゲームして、酒飲んで、HP作って日銭稼ぎ。そんな日々が続きました。
「ゲームをつくりたい」そう言った俺に、両親は「医者になれ」「勉強しろ」と押しつけてきました。でも、カトちゃんは違いました。「自分の頭で考え、好きに生きろよ」そう教えてくれたんです。だから、就活で落ちても、どうでもよかった。カトちゃんがいたから。
新卒で拾われたシステム会社は、コロナ禍で仕事が激減しました。その頃、東京の友達・海くんの家で、ゲーム三昧の日々を送っていました。そんなある日、「夢ないの?」と聞かれました。私は答えました。「常識に縛られない“新しいWEBの時代”を作りたい」
「いくらあれば、夢のあるものつくれるの?」と海くん。「2億かな?」冗談で言ったつもりでした。でも、海くんは「わかった。準備するから作ろうよ」と本気だった。 それが始まりでした。
俺、カトちゃん、海くん、開発者のマーク。4人で起業しました。「世界中で使われるSNSをつくろう」そう誓いました。でも、現実は甘くなかった。
会社を支えるために、別事業を任されていたカトちゃん。ある日、取引先に騙され、1億円の損失を被りました。そして、突然、自ら命を絶ちました。
最後に残された言葉は、「大丈夫、お前ならちゃんとつくれるよ」「たかが金を失っただけだろ?失敗しただけだろ?」私の中で言葉にできない葛藤がありました。
「金を失えば価値がない」「失敗は罪」 その“常識”が、カトちゃんの命を奪った。「常識なんて、金も、権力も、情報も持った一部の支配者が作ったものでしかない」そう感じました。
「その常識を壊して、“常識に囚われない自由な世界”を俺たちが作り上げる」そう決意し、開発が始まりました。
そんな願いを詰め込んだSNS、ハイブリッド・ピアツーピア型の分散型SNS「Pixelmine」が2025年3月に誕生しました。
ただの分散型SNSじゃない。データも収益もすべてユーザーに分配される。アルゴリズムは、誰にも支配されない仕組みになっています。
もし、カトちゃんが見ていたら、「お前、ほんとに…やりやがったな」って言ってくれると思います。
社長の名は 編集部より
自分の生きたいように人生を過ごしていくことを応援してくれる人は必ずいると、教えてくれる物語でした。
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